ようこそ、恋愛指南部へ!


私は何も見なかった。
もちろん、読者様も何も見なかった。

制服を着て相変わらずの目つきの悪さで腕組みしながら立っていた俺様男なんて何も見ていない。

そうだよね?


「お前のことだから活動日忘れてるんじゃないかと思って迎えに来てやったんだよ、アホ!」

閉めたドアの向こう側から叫ぶ声が聞こえる。

こんな朝から叫ばれても近所迷惑だな……


久しぶりに顔を合わせたと言うのに、挨拶すらしない恋人(仮)。

絶対こんなの普通じゃない。


しまいには玄関前で何やらぶつくさ言い始める男。

はぁ、と大きなため息をついた私は、仕方なくドアを開けた。


「近所迷惑になるから、玄関で待ってて」

「いやそこはちゃんともてなせよ!」

「アポ無しで来たのそっちでしょ!」


恋愛漫画とか小説でもよく突然訪ねてくる男子見かけるけど……

実際にされるとこの上なく非常識なんだなぁと思った。


「志乃ー、宅配便かしら?って、あら、あらあらあら?」