こういう時、普通の女の子ならどうするんだろう。
そのまま身を預けるのが正解なのかな。
「守ってくれてありがとう、セトくん。ちょっと、耳塞いでて」
立ち上がった私は、帰りの方角を見つめる。
男子だけが頑張ればいい?
そんなわけないでしょ。
女子はただ守られるだけ、なんてそんなのあり得ない。
少しでも早く、見つけてもらえるように。
そして、彼字面しているあの暴君男へ向けた喝。
すぅーっと思い切り息を吸い込み……
「さっさと助けに来なさいよ、バカ一護ー!!!」
全身全霊で叫んだ私の声は、かなり響きわたったことだろう。
「げほ、ごほっ!」
喉もびっくりしているのか、思わず咳き込んでしまう。
「深水、大丈夫か?」
耳抑えてたけどすげー声出てたな
と笑うセトくん。
「……良かった」
「え?」
「セトくんが笑ってくれて、良かった……」
雨に打たれながら、二人してよく見えない顔を見合わせ笑う。

