頭の上に被せられたのは、セトくんが来ていたパーカーだろうか。
「幸い雷は鳴ってないし、葉が生い茂ってる木の下でやりすごそう」
懐中電灯を照らしながら少しずつ進むその姿は、とても頼もしく見えた。
どのくらい時間が経ったのだろう。
私たちは、葉が沢山生い茂った(ように見える)木の下に座って雨が止むのをじっと待っていた。
セトくんが貸してくれたパーカーも、徐々に雨がしみ込んでさらに身体を冷やす。
「深水、震えてる……そりゃ、怖いよな」
ぐいって身体を引き寄せらせ、セトくんの膝の上に乗る形になる。
「せ、セトくん!?」
濡れたパーカーごと、ぎゅっと抱きしめられる。
「大丈夫、絶対オレが守るから」
怖いのは、きっとセトくんも同じ。
私にパーカー貸してるんだもん、もっと寒いはず。
男の子に抱きしめられるなんて機会今までなかったから、痛いくらいに心臓が鳴ってる。

