「じゃあ行くか、深水」
「う、うん……」
懐中電灯と地図だけって心細すぎるよ……
しかもかなり雰囲気あるし、この森。
前を歩くセトくんに必死についていこうとするが、暗いのも相まってあまり早くは進めない。
少し進んだところで、彼が足を止めた。
「わふっ!?」
普通に歩いていた私。
思いっきりセトくんの背中に激突してしまいました。
「ごめん、オレ歩くの早かったよな。その、危ないし、手……繋ぐか」
暗くて表情まではよく分からないけど、差し出された手にそっと自分の手を重ねる。
「あ、ありがとう……」
今この瞬間だけは恐怖より、手を繋ぐという緊張感が勝った。
自分とは違う体温に、何だかドキドキする。
そんな恥ずかしさを払拭するみたいに、私はわざと大きな声を出した。
「と、とりあえず行こう!地図上だったらこっちだよね!」
「おう、行くか!」
繋いだ手の温度が段々と溶け合うように、違和感なくなってきた。
右側にいる温もりを噛み締めながら、地図を頼りに蝋燭を探した。

