ようこそ、恋愛指南部へ!



ひっそりと一番前の窓側の席に座った私は、ほっと息をつく。

「隣、いい?」

「あ、どうぞ」


私服だから学年もさっぱり分からないが、確かこの人は……

黒い髪を後ろで一つで束ねていて、化粧をしているが自然だしとてもキレイな人。

見覚えがあるけど思い出せないな……


「あたし、岩清水薫(いわしみず かおり)。2年」

空気を読んだのか頼んでもいないのに自己紹介を始める先輩。

自己紹介がなかったらただのモブになるところだったからかな。


「えっと、深水志乃です」

「そういや志乃ちゃん、一護先輩の隣じゃなくてもいいの?」

「うぐっ」


友達だけでなく、他の部員の人も私たちの関係を知っているのかと思うといたたまれない。

と、とりあえず当たり障りなく誤魔化しておこう……


「私乗り物酔いしやすいので前の席が良くて……」
 
「あぁ、なるほどね」

岩清水先輩はそれ以上特に聞いてくることもなかった。