ひとしきり笑った後、私の頭にあいつの手のひらが置かれた。
「俺を誰だと思ってる。恋愛指南部部長、椎名一護だぞ?
お前は今この瞬間恋することだけ考えてればいいんだよ」
言ってることは相変わらずだけど、少し言い方が優しい……ような気がする。
「ほら、クレープ食いに行くぞ」
「うんっ!」
手を引かれてる時は、後ろを着いていくような形だった。
でも今は、手を繋いでいなくても隣を歩いてる。
歩く歩幅が少し小さくなってる、ような気もする。
まだ恋については、よく分からない。
自分がちゃんと理解できるのかも、正直分からない。
でも、不思議とさっきまで抱いていた不安はなくなっていた。

