「どーゆーことと言われても.......」



あたしから、そうするようにしたつもりもないし、なにかを言ったこともない。
それに、柊くんには「ごめんなさい」と告げている。



「色気つかって人の彼氏横取りすんじゃねぇよ」



鋭い目付きに変わって、あたしの背中をフェンスへと押し付ける。



「いや.......あの.......」



怖い。
ただ、ただ怖かった。



「なんで、今更現れるの!?あたしは、ずっとずっとあんたの存在が怖かった!」



あたしの肩を掴む手に力を増しながら、悔しそうに言う。



「.......ちょっと、やめて」



いかにも弱々しいあたしの声は、彼女には届かない。



「あんたなんかいなくなればいいのに!そうすれば、柊はずっとあたしのものなのに!」



ギリギリっとフェンスが音を鳴らすほど、あたしは彼女に押し付けられている。



「ねぇ、離し.......「聞き捨てならねーな。こいつのこと、誰の許可得ていじめてんの?」



突然頭上から降ってきた声に、彼女の手から力が抜ける。