「小さい頃から俺が好きなのは、いつだってなっちゃんだよ」


「だって.......彼女.......」


「もう、会えないと思ってたから。無理やりあいつと付き合ったけど、なっちゃんに再会して、気持ち抑えるなんてそんなの無理だった」


「.......っ」




頭がパンクしそうで、どうしたらいいかわからなくて。
とりあえず、柊くんの前からいなくなろうと、背を向けようとするけど、そんなあたしの腕を柊くんはつかむ。




「逃がさない」



トンっと近くの塀に背中がぶつかる。



「しゅ.......く.......んっ」



顔を上げた瞬間、柊くんの唇とあたしの唇が重なる。




「やっ!やめて!」



唇が重なった瞬間、頭に浮かんできたのは匠の顔で。
思いっきり、柊くんのことを突き飛ばしていた。



「ごめん。気持ち悪いよな、こんなこと、なんとも思ってないやつにされても」


「.......っ」



傷ついたような顔の柊くんに胸の奥がきゅうっとしめつけられる。