「ねぇ、付き合ってるなんて嘘でしょ?」



放課後。
部活がないという匠とふたり校門をでると、匠のそばによくいた先輩ふたりがあたしたちの前に立ちはだかる。



「は、何言ってんすか」



匠は、大して気に留めてないように2人に返すけど、嘘なのがバレたらどうしようとあたしはハラハラしてしまう。



「だって、似合ってない」


「はぁ?似合うとか似合わないとかなんなんすか……」



ため息をついて、2人に応戦する。



「……っ」



たしかに、匠とあたしは似合ってない。
学校のスターのようにモテる匠。
そんな匠に対して、あたしはちっともモテることなんかない。

目の前にいる先輩ふたりは、この前の先輩のようにやはり、スラッとしてスタイルがいい。
自分の制服姿をみても、この人たちより勝ってる部分なんてひとつもない。

匠も彼女のフリをしてもらうなら、もう少し綺麗な人を選ぶべきだったんじゃないだろうか。
そしたら、こんな面倒なことにはならなかったんだ。

周りにいる女の子だと、こころちゃんならこの先輩ふたりも認めるだろう。

こころちゃんは、天使のように可愛いから。