「夏実、何センチなんだよ?」


「150センチ」


「ちっちぇーなー。俺、180だよ」


「うっ……」



途中で成長が止まってしまったようなあたしと、今もまだ成長期にあるような匠。
身長差は、いつの間にか30センチにもなっいたようだ。



「柊はもっと高くて、183センチな」


「180も183も大して変わんないよ……」



あたしからしてみたら、180センチ以上なんて見上げる角度は同じだし、大差ない。



「大丈夫。柊は、背の低い子が好きだから」


「そっか……」



そういえば、柊くんの彼女も背が低かった。
好みの身長であることは、もちろん嬉しい。
でも、柊くんにはその好みに適した人がすでにいる。

別にそのことについて、もう仕方ないと思ってる。
いなくなったあたしは、付き合えるはずがなかったんだから。

でも、スッキリしない。



「た、匠は?」



気がついたら、口が勝手に動いていた。



「え?」


「匠は、小さい子好き?」



なんで、こんなことを聞いているのか自分でもわからなかった。