「そういえば、こころから聞いたけど.......甲子園のときみんなこと怒ってくれたんだってな」


「なっ.......!こころちゃんに匠に言わないでって言ったのにーー」



恥ずかしそうに顔を赤くする詩音。



「嬉しかったよ。俺のことちゃんと見ててくれて。ありがとう」


「だって、悔しかったんだもん。匠が頑張ってるの知ってたから.......」


「こころから聞いて、やっぱり詩音のこと好きだなってこと思ったよ」



あんなに自分の意志を全面に出すのが苦手だった詩音。
それなのに、俺のために大声をだしてくれたんだ。
そんな詩音のこと、惚れ直さないわけがない。



「詩音、ずっと俺と一緒にいてください」


「こちらこそ、ずっと一緒にいて欲しいです」



2人で顔を見合わせて笑う。

すげぇ、幸せだなって思った。
ずっとずっと好きだって思ってた。
もう会えないと諦めたって、好きだった。

そんな詩音と、こうして始められる喜びを俺は噛み締めていた。



「大好きだよ、詩音」