「なっちゃん?」



家についた柊が夏実の元に走っていく。



「.......柊」



そう、夏実が口にすると「ずっとそばにいたかった」って涙を流して、柊が夏実を抱きしめる姿をみて、これでよかったんだっておもった。



「詩音、俺らの話をしよう」



詩音の手を握って、詩音の部屋へと入る。
元々の詩音の部屋へ。



「柊くんと夏実.......ちゃん?よかったね」



夏実に対して、まだぎこちない詩音。



「夏実って呼んでたよ、詩音は」


「夏実.......」



どこか不思議そうに夏実の名前を繰り返す。



「でも、学校では今まで通り、詩音が夏実にならなきゃだよな」


「そうだね.......」



いくら、俺らの中で話が片付いたとしても、名前を在学中にかえるなんてことは周りの目も気になるだろう。



「でも、俺にとってはお前が詩音だから」


「うん、匠が分かってくれてたらいいよ」


「好きだよ、詩音」



ちゅっと夏実の唇に自分の唇を重ねる。