「しおん、あそぼうぜ!」



俺が学校から帰って、ランドセルを置いて、それから行く場所は毎日決まっていた。



「たくみ!おかえり!」



俺がいくと、ぱぁぁっと笑顔をみせてくれる。
この笑顔になる瞬間がたまらなく好きだった。



「もー、たくみはやいって!」


「おれらおいてくなよーなー、いつも」



後ろからバタバタとうるさい足音とともにやってくるふたり。



「おれはしおんにはやくあいたいんだよ!おまえらのことなんかまってられるか」


「ふたりともおかえり」



あとからやってきた夏実と柊をみて、にっこり笑う詩音。

俺以外にその笑顔が先に向けられるのが嫌で、真っ先に向かっていたなんて知ったら、詩音は笑うかな。

詩音は、一年のはじめこそ、学校に行っていたもののまわりの友達に馴染めなかったみたいで、そこから話せない詩音へのまわりの反応も微妙なものになってしまって、早々に不登校になってしまった。

二年になった頃には、もうすっかり学校に行くことはなくなっ

詩音の心が弱いことを知っているから、ガキながら俺が守るって思ってた。