ふたりは今だってすごく人気者で。
あたしは、転校して2人から離れていたにも関わらず、仲の良かった幼なじみとして知られていたくらいだ。



「仲がいいのを隠してた.......?」


「でも、そんなことする必要あるかなぁ?」



こころちゃんがうーんと唸る。



「あ、やば。ご飯行かないと!」



こころちゃんの言葉に時計を見れば、もう8時ををさしていた。



「本当だ!出発の時間になっちゃうね!」



今日の予定は9時にはバスが出発だったはず。


「急いで食べよ!」



こころちゃんと2人、急いで部屋をでて、朝食会場へ向かう。



「あ、あそこ空いてる」



ちょうど2席空いている朝食会場の席をみつけて、座る。



「あ、おはよう」




席についたことにホッとしていると、隣の席から声をかけられる。



「あ.......竜崎さん.......」



彼女の顔をみると、あの時言われた言葉を思い出してしまう。
きっと、彼女はあたしと匠のことをよく思っていない。
だから、あんなことあたしに告げるんだ。