「知っているというか、詩音が現れてから柊くんの様子変だったなって」



思えば、あの時公園であたしが詩音さんの名前を出したときも少しおかしかった気がする。



「なにそれ、柊もあの子と何かあるっていうの?」


「わかんない.......」



2人に1番近いって、離れていても思っていたあたしの馬鹿らしさったら半端ない。
あたしにとって2人はいつまでも1番近い男の子ふたりだったのに、彼らにとってはそれは詩音さんだったのかもしれない。



「でも、夏実も知らなくて、あたしも知らないってことは小3から小6までのあいだだよね」


「たしかにそうだね」



あたしが知っているのは小2まで。
こころちゃんが知っているのは中1から。
だから、その間に彼女がうちの小学校に転校してきて、中学校はうちの小学校からいくもう1つの学校ということだろうか。



「なんか謎だよなー。ふたりとそんなに仲のいい女の子がいたなら中学でも話題になるはずなのに。そんなの一切なかったよ?」


「.......なんでだろう」