今日は受験の日。
あまり勉強はしていないし、
でも、あまり落ちる気もしていない。

もしこの高校に受かったとすれば、
地元から電車通学で乗り換えを含め約30分。
同じ中学からこの高校へ通う人は10本の指でおさまるだろう。
顔見知りは何人かいるが、
その中でも私は仲のいい友達1人しかいない。
隣町の中学から私の仲のいい友達が1人。

あまり誰も知らない環境のこの高校を選んだのは
私の中学時代の評判があまりよくなかったからだ。


「「二人とも受かるといいな。」」


「受験開始。」
と試験管の先生が言った。

問題はさっぱりと言っていいほどわからない。

「「とりあえずわかる分だけ解いておこう。」」

必死に取り組んでた訳では無いが、
そうこうしているあいだにお昼がきた。

「普通科を受ける生徒は体育館で食べるように」

受験教室の外で先生が大きい声でそういっているのがはっきりきこえた。


「果歩~」

名前を呼ばれた私は振り返った。
そこには同じ中学の唯一の友達の恵美(エミ)と隣町の中学の友達の優奈(ユウナ)がいた。

「お昼食べに行こ!」
恵美と優奈が迎えに来てくれ、3人で体育館に向かうことになった。