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隼也くんの投稿している写真をスクロールしていくと、
かなり下の方に女の子だけが写っている写真があった。


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今日は寒い中ありがとう。
誕生日祝えてよかった。
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その写真のしたにこの文が打たれていた。

女の子は彼女であろう。
まったく派手ではないし、服装はおとなしそうで
化粧はまったくしていない。

「え、全然かわいくないじゃん
果歩なら絶対にいけるよ!!」
と優奈が言った。

「それな?」
恵美もこう返した。


あたしはなぜかこの子には勝てないなと思った。
たしかに隼也くんの彼女であろう子は、顔は並のちょっと下くらい。
だけどこの子の笑顔から伝わってくるのは
幸せと嬉しさ。
愛されているんだなと思った。

だけど、その写真が投稿されたのは4ヶ月前。
それ以降の隼也くんの写真をみても彼女がでてくることはなかった。

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その日の夜、はじめて隼也くんから電話がかかってきた。

《果歩、今大丈夫??》

《どうしたの?全然大丈夫だけど…》

《俺ふられちゃったわ》
なんて笑う隼也くんがいた。

《なんでそんな笑ってられるの??》

《仕方ないことだっていっぱいあるの》

《仕方ないこと?》

《俺は別に辛い思いもしてない。居なくても平気なところまできてたし、とっくの昔に割り切れてたかな。》

《そっかそっか。いろいろあったんだね》

特別慰めの言葉もかけることもできず、
結局たわいない長話をしてその日はおわった。
彼女の話に触れれることはなかった。