「昨日出掛けた時みたいにしてれば良いと思うけど……」

アツヒロ君にずっとベッタリだったし、あの調子で頑張れば良いんじゃ……。


「昨日は近くに瑞季いたし……。それに今回は密室じゃん!?逃げ場無いし!!」

とにかく成実ちゃんはあわあわと狼狽えている。

だけどあんなにくっついてたのに、密室がダメな理由がわからない。
成実ちゃんって見た目は大人っぽいけれど中身は純情なんだろう。

乙女心って難しいな……。


「私達、絶対お邪魔だから」

紘子ちゃんが強い口調で言う。

「邪魔じゃないから!ぜっったい来てよ!お願いします!!」

「そんなに二人きりが嫌なら断れば良いのに」

はぁっと溜め息混じりに紘子ちゃんが吐く。

「嫌じゃないから困ってるのよ~!」

半泣きで叫ぶ成実ちゃん。


……これじゃ堂々巡りだ。


「ふ、二人とも落ち着いて」

そんな二人のやり取りにあたふたし始める私。




「俺も行こうか?」


突然そこに、声が飛んできた。
その声に一斉に振り返る一同。