『明日香は誤解してる』

「何を?」

『先輩と俺は明日香が思ってる関係じゃない』

「……先輩?
梨華って呼べば?

あたしがいるから呼べない?」

『そ、れは……』

「あたし好きだったよ、健が<明日香>って呼んでくれるの
凄い好きだった






あんな声で呼ぶ名前はあたしだけだなんて自惚れてた」

「、ちがうのッッ」





神崎先輩が急に叫んだ
一体誰に言ってるんだろう





「何が?」

仕方なくあたしが答える




『健くんはなにも悪くないの』

「……はぁ。」

ありきたりの展開に溜め息を零してしまう



「かばうなんて、美しい愛ですね」

そう言ってあたしはその場を去った











健にもっと主張してほしかった

神崎先輩とは何もないって











二人して、相手を気遣うような態度だったことが悲しかった












〜〜〜♪〜♪


携帯には<健>の文字












今は話したくない











鳴っている携帯を真っ二つにして
コンクリートにたたき付けてやった