真野さんと食事した一件で、ますます真野さんに興味を持った俺は真野さんを気にかけるようになった。

 その真野さんが高い頻度で目で追っている人物。
 それは橘だった。

 橘を目で追っている真野さん。
 その目が逸れると今度は橘が真野さんを目で追い始める。
 もどかしいくらい2人の視線は絡まない。

 ちょっと前までは。

 それなのに今はどうだ。
 お互いに避けていて、それなのに気になっていることはバレバレで。

 お互い気にはなるのだろう。
 そのせいで目が合って気まずそうに目を逸らす。
 その繰り返し。

 はたから見ていて馬鹿馬鹿しくてやってられない。
 んとに。こいつら馬鹿なんだと思う。