モーニングコールをしなくなった朝は心にポッカリと穴が開いたような気がして、それは思い過ごしだと思い直した。

 出勤して給湯室でため息をついていると数名の先輩方に囲まれた。

「真野さん、最近少し調子に乗っているんじゃないかしら。」

「調子、、ですか?」

 話しかけてきたのは、課の中でも元々苦手な先輩と、その周りの人達。

「橘さんのお気に入りだからってサボったりして。」

「サボってなんて、、」

 私は震える声で訴えてみても聞く耳を持ってくれない雰囲気に恐怖を感じた。

 ヤダ……。こんな時に症状が出たら、、もう会社にいられない。


「こういうのは良くないんじゃない?」

 穏やかで優しい、陽だまりのような声が聞こえて私は震える顔を上げた。

 私を取り囲んでいた人達の私へ集中していた視線も外れ、みんながその人に注目した。