「ヤバイ。本気で可愛い。」

 時間差で熱くなる顔を押さえるように手で覆ってため息を吐いた。

 一ヶ月、なんとか首の皮一枚繋がった。

 必ず落とすだなんて、何か策があるわけじゃない。
 苦し紛れに出た言葉だ。

 それでも、本気で落とさなきゃ一ヶ月後は元の木阿弥だ。

「優しさ…か。」

 自分で呟いた言葉は胸へジクジクとした痛みを与えて何度目かのため息をついた。