トサッとおろされて、橘さんはニットを脱ぎ始めた。

 今までは私が別の部屋で着替えている間に橘さんも着替えていたから目の当たりにするのは初めてで………。

 鍛え上げられた腹筋がシャツの下から垣間見えて目がチカチカする。

 真っ赤になって俯く私にフッと笑った橘さんが私の手を取って「触ってみる?」と急に色気を漂わせて言った。

「い、な、いいえ。結構です。」

「フッ。ハハッ。」

 悪戯が成功したみたいな顔をした橘さんにからかわれたことに気づいて取られた手ごと胸をたたく。

「もう!橘さんキライ!」

「おいおい。
 それはさすがに傷つくんだけど。」

 たたいている私なんてものともせずに抱きかかえてベッドに押し倒された。
 腕を押さえられたまま上から見下ろされてドクンと心臓が異常事態を訴える。

「た、橘さん……。」

「穂花……って2人の時は呼んでいい?」

 控えめな申し出に胸がキュンと鳴いた。