寝室のベッドに運ばれて、、軽々抱きかかえられて運ばれた私はベッドの上へと下された。

「何か着替えを」と探して服を片手に振り返った橘さんに吹き出された。

「なんて顔してるんだよ。」

「……これが地顔です。」

「そんな顔してるとキスするぞ。」

「……ッ!」

 手渡された服で顔を隠すとクククッと笑われた。

「心配しなくても週末にでもゆっくり話さなきゃいけない色々を話して、付き合おうってことになっても、ちゃんと真野のペースに合わせるし。」

 手の甲で頬をそっと撫でられて、目を閉じた。
 優しい感触が唇に触れて、目を開くと色香を漂わせた橘さんの顔がすぐ目の前にあった。

 トットットッと胸が高鳴って、顔が熱くなるのが分かる。
 寝ぼけてると平気でいられた自分のことが恐ろしく感じるほどに。

「……私の、ペースでって。」

 不満を訴えると笑われた。

「ハハッ。
 真野がいちいち可愛いからいけない。」

 身に覚えのない言いがかりをつけられて、再び服で顔を覆う。
 クツクツ笑う橘さんは私の頭を撫でた。

「心配になるわ。
 俺以外の前で今みたいに無防備でいないでくれよ。」

「それは……橘さんのことは信頼、してるんだと、、。」

「そっ、か。うん。ありがとな。」