手が震えてしまう。
 どうしよう。病院。でも、どうやって?

 思考がまとまらなくて、さっきから堂々巡りを繰り返していた。

 携帯の音にびくりと肩を揺らすと恐る恐る画面を覗いた。

『大丈夫か?』

 携帯はメールの受信を告げて、それは橘さんからだった。
 大丈夫じゃないけれど返事が出来る気力もない。

 偽薬だなんて知らなかった。
 信じていたはずのものがガラガラと音を立てて崩れた気がした。

 こんな時に頼りたい如月先生が味方なのかなんなのか分からなくなってしまって、如月先生に騙されていたのかなって考えが頭を巡ってどうしようもなくなる。

 もう一度、メールが届いて画面には『つらいなら真野のアパートまで行こうか?』と表示された。

 私はすがるようにメールを開いた。