「どうしてあのようなことを?」

「あのような、とは?」

 詩子に質問されて微笑みを返した。

「守秘義務があるのでは?」

 私が何も答えずにいるとため息混じりに詩子は言った。

「自分の診察と処方にケチをつけられたのが嫌だったのでしょう?」

 詩子の言葉にフッと息を吐いて「さぁどうでしょう」と曖昧に答えた。

「本当に橘さんがここの患者さんになっても知りませんからね。」

 これにはハハハッと笑うと「不謹慎です」と怒られた。

 原因を究明すればいい。
 そうすれば、きっと………。