ーーー 放課後。 私は過去最高速度で教室を後にした。 「三咲ー!また明日ねー!」 友の声が後ろから追いかけてきた。 「うん!」 私はそれに答えながらも足を前に踏み出し続ける。 練習室までの廊下を一人早足で進む。 そこにはまだちらほらとも生徒の姿はない。 ただ通り過ぎる教室からは賑やかな声だけは聞こえる。 そんな中、一人で廊下を歩いているとなんだか私だけ別世界にいるみたいな、または幽霊にでもなったような不思議な感じがする。