私が君を見つけたのは偶然であり奇跡だったと思う。 「楓、この人誰?」 「どの人?」 「いまスピーカーから聴こえてる声の人」 我ながら変な質問だ。 いまはお昼休み。 そのお昼の放送でスピーカーから聴こえてきたのは初めて聴く音だった。 「綺麗……」 「うんうん。確かにこの声は三咲のどタイプそう」 「え?私のって言うか普通に良くない?」