黒少女

それから、私は思いつく限りのいじめをした。

靴箱に大量の画鋲を入れた、彼女の授業用ノートを破った、彼女の体操服を隠した。

でも、彼女は皆から嫌われなかった。
皆、彼女のために一緒に画鋲をとったり、ノートをコピーしたり、体操服を探したり…。

どうして、どうして、どうして上手くいかないの!?

こうなったら、皆が本条を嫌うように仕向けるしかない。

人気の多い昼休みの教室で、私は本条に話しかけた。

「本条さん、ちょっといいかな?」

「うん、どうしたの川瀬さん」

「本条さん、最近大変そうだよね。

机に落書きされたりとか、靴箱に画鋲入れられたり、ノートにひどいことされたり、体操服消えちゃったり…」

「ああ…うん…」