特に、クラスメートは驚かない。

「では、入って来てください」

担任の合図と同時に、転校生が教室に入ってきた。

「え…」

「嘘…」

「なにあの子……」

「めちゃくちゃかわいいんですけど!」

入ってきたのは、アイドル級に可愛い女の子だった。

ツヤツヤで長い黒髪。
スラッと伸びた手足。
まるで人形のような、大きな瞳。

まさに美少女中の美少女だった。

転校生はチョークを手に取り、自分の名前を黒板に書いた。

『本条志保(ほんじょうしほ)』

それが彼女の名前らしい。