「実は私さ」

朝の通学路、人気のない道のど真ん中で友達の菜緒(なお)が突然言い出した。

「怜奈(れいな)の彼氏とヤッちゃったんだよね…」

「……え?」

その言葉に、私は絶句した。

菜緒が、私の彼氏の幸人(ゆきひと)と…?
どうしてそんな…。

「ひどいよ、菜緒!
私が幸人と付き合うのにどれだけ頑張ってきたのか、菜緒なら知っているはずでしょ!?
それなのにどうしてそんなひどいことができるの!?
私だって、まだキスまでしかしたことなかったのに!!

ひどい、最悪だよ!
あんたなんて人間じゃないよ!」