死ぬのは怖い。

だけど…。

私は、今まで母親にされてきたことを思い出した。

叔母の通っていた私立中学に無理矢理受験させられたこと。

本当は帰宅部がよかったのに無理矢理合唱部に入部させられたこと。

前の静子はもっと成績がよかったのにどうして今の静子は違うんだと何度も何度も罵られたこと。

生きていてよかったと思えたことなんて一度もない。

「これ以上生きるのはもっと怖い」

私は、そのまま滑らかに十二階から飛び降りた。

私は、夜の闇の一部となったのだ。