私は母親に気付かれないように、こっそりと家を出た。

私の家から約三分ほど歩いたところに、十二階建てのマンションがある。
玄関から入るのはマンションの住人でないと不可能だが、裏口からはマンションの住人じゃなくても簡単に入られるのだ。

私はマンションに入ると、私はすぐさまエレベーターに乗り込んだ。

早く死にたい、という気持ちが強かったからだ。

私を乗せたエレベーターは、あっという間に十二階に着いた。

十二階から、下をのぞきこんでみる。
深夜なので、周りの街灯のポツポツとした光くらいしか見えなかった。

このまま飛び込めば、夜の闇に溶け込んでしまいそうだ。