リストカットは、意外と難しいとかなんとか。
それに、死ぬのに失敗すると、手首の傷と一生一緒に過ごさなければならないらしい。

死ぬつもりなのに生き延びたときのことを考えるなんて、馬鹿馬鹿しいや。

結局、私は一瞬で死ぬことができる飛び降り自殺をすることにした。

やっと、母親の呪縛から解放される。
そう思うと、すっかり安心してしまった私は、そのままベッドの上で眠ってしまっていた。

起きると、外は真っ暗。
スマホの時間表示を見てみると、もう時刻は午前0時を回っていた。

「めっちゃ寝てた…」

私はむくりと起き上がった。
一階へ向かうと、母親はすっかり眠っているようだった。

今しかない。