『昔』というのは、叔母が生きていたときの話だ。
そんなこと、私に言われても知らない。

だが、母親にとっては重要問題だ。

妹の生まれ変わりである私が、生まれ変わる前とは全く違うのだから。

叔母は、成績優秀、運動神経抜群、合唱部で部長とパートリーダーを務めるほどのそれはそれは素晴らしい学生だったらしい。

対して私は、成績は平凡、運動神経は平均以下。
母親に言われて無理矢理合唱部に入らされたものの、音痴のため皆から嫌われている。

何もかもが違うのだ。

それなのに、叔母ような優秀は人物になることを強いられるのは、たまったもんじゃない。

もう嫌だ。

こんな人生、私の人生じゃない。

生きていることに、何の意味もない。