「だって、あいつ私と華ちゃんの仲を引き裂こうとするんだもん。
だから、消したの」

「美波が、唯を階段から突き落としたの……?」

恐る恐る私はたずねる。
すると、美波はにっこりと不気味な笑みを浮かべる。

「そうだよ」

美波の笑顔に、鳥肌が立つ。

「そんな…美波が…唯を…」

「華ちゃん、どうして私から離れてくの?」

「だって…」

「華ちゃん」

美波が私の名前を呼ぶ。
いつものことのはずなのに、それがとても恐ろしい行為のように感じられる。

「いや!来ないで!」

「華ちゃん」

「いやあああああああ!!」

私は、その場から逃げ出した。

「華ちゃん」

美波が追いかけてくる。

「はぁっはぁっはぁっ…」

逃げなくちゃ、逃げなくちゃ………!

私は、急いで女子トイレに逃げ込んだ。
一番奥の個室に入り、乱れた息を整える。