「ギターなんてまだやってるのか?
いい加減やめたらどうだ?」

それに後藤が便乗する。

「そうそう。
中二のときを思い出してみろよ。
お前、ビッグになるとか言ってプロのオーディションに応募して、審査員にボロカス言われたんだろ?」

「あ、あれは審査員が俺の魅力に気付けなかっただけだ!」

「はあ…そうですか」

「じゃあな!」

そう言って、俺は教室を出た。

家に帰るなり、俺はすぐさまギターを持ち、曲作りに励んだ。

「お兄ちゃん!」

ノックもせずに、妹が俺の部屋に怒鳴り込んできた。

「ギター弾くのやめてって言ってるよね!?
対して上手くもないくせにミュージシャン気取りするのうざいよ!?

私今宿題しているんだから、邪魔しないで!!」

「なんだよ…みんなして俺とギターをバカにしやがって!」