こんなに優しい細井をフるなんて…俺にはできない。

「そういえば大田、最近細井とはどうなんだよ?(笑)」

からかうように、三河がたずねてきた。

「そういえば二人、いつも昼休み一緒にいるじゃん!
意外とラブラブだよな~」

後藤も俺をからかう。

「バカ言え。
ラブラブなんてたまるか。

ただ、フるタイミングが見つからないだけだよ。

あんな罰ゲームで付き合っている女とラブラブになんてなるわけないだろ」

「まあそうだよな~」

「細井はねーわな」

そう、俺が細井に惚れるなんてことは絶対にありえないのだ。

「あ、じゃあ俺そろそろ家に帰るわ」

「何?細井とデート?(笑)」

「んなわけあるか。
曲だよ曲。
曲作りしに帰るんだよ。
ギター家に置いてきたから」

俺がそう言うと、三河はため息をついた。