昼休みの人気の少ない廊下で、私とひかりは教室にいた男子の話を盗み聞きしていた。

「あれ、うちのクラスの正也(まさや)と陸と直樹だよね」

ひかりが私にたずねる。

「うん、そうだね」

「すごいねー。
あんなに堂々と大きな声で陰口なんて。

ここ通ったのが私とのぞみでよかったね。
カースト上位の女子だったらあいつらどうなってたか…」

「だよねー。

てか、自分達の声でかすぎて、私達の存在気付いてないじゃん(笑)」

普通の喋り声くらいの大きさで喋っているのに、中の三人は私達に見向きもせず、陰口で盛り上がっている。