陸の言葉で、また俺は合唱コンクールの練習のことを思い出した。

「そうだったよなぁ~。
『男子声出てない!ちゃんと歌ってよ!アンタらのせいで優勝できなかったらどうしてくれんのよ!』ってな!」

俺がカースト上位女子の物真似をすると、陸と直樹は声を上げて笑った。

「似すぎだって(笑)」

「語尾がなんかやたら音上がってるところとかマジでそっくりだわ(笑)」

「そう?(笑)」

「いやー、それにしてもひどかったよな、合唱コンクール本番は」

陸が言う。

カースト上位女子が仕切っていた俺達のクラスは、上位女子が下手な人や声が小さい人に注意するだけではなく、自分達の気に入らない人にも攻撃をしていた。

その中には、合唱部のめちゃくちゃ上手いやつもいた。