「ったく、女子っていうのはいちいち他人を気にしたり、他人を貶めたり…。
しょうもない生き物だよなぁ」

陸が言う。

「な、この前の合唱コンクールとかもひどかったよな!」

直樹の言葉で、俺は先月あった合唱コンクールの練習のことを思い出した。

確かあのときはクラスカースト上位の女子が、カースト下位の女子の歌声が聞こえないとかなんとか文句を言って、クラス全員の前で下位の女子を一人で歌わせていた。

しかも、アカペラで。

下位の女子は、泣きながら課題曲のフルと自由曲のフルを歌わされていた。

「同じ女子に攻撃するだけじゃ飽き足らず、俺達男子にも攻撃してきたもんな!」