カフェ店内。

「で、誕生日にずっと欲しかったリップグロスくれたんだよね〜」

「羨ましい〜!
里津(りつ)の彼氏って優しいよね〜」

里津の友人、真美(まみ)がアイスコーヒーをストローでかき混ぜながら言う。

それに、同じく友人の奈々(なな)が便乗する。

「だよねだよね〜」

「ええ〜、そんなこと…あるけど!」

里津は誇らしげに言った。

「あ、ごめん、ちょっとトイレ」

「うん、いってらー」

里津は席を立った。

「…あのさ」

アイスコーヒーをひとくち飲んだあと、真美は奈々に言った。

「里津の彼氏自慢、うざくね?」

奈々は目を見開き、

「わかるー!それなー!」

と言った。