「そうだよ」

「そんな…美波が…唯を…」

華ちゃんが後退りをする。

「華ちゃん、どうして私から離れてくの?」

「だって…」

「華ちゃん」

「いや!来ないで!」

どうして。
私を拒むの?
どうして。

「華ちゃん」

「いやあああああああ!!」

華ちゃんは、逃げ出した。

だけど私は華ちゃんの親友。
華ちゃんの行動なんて、お見通しだった。

華ちゃんは怖がりだから、きっと一番人気のない女子トイレの奥に隠れる。

予想通り、華ちゃんは普段あまり使われていないトイレの一番奥で隠れていた。

華ちゃんは、私がもうどこかへ行ってしまったのだと思ったのだろう、自ら個室の扉を開けた。

「華ちゃん」

私が華ちゃんの名前を呼ぶ。