黒少女

楽しみだな、早く来ないかな、華ちゃん……。

「明日からテスト一週間前だねー」

やがて、可愛らしい女の子の声が聞こえてきた。

この声は親の声よりもたくさん聞いた、一番大好きな声…華ちゃんの声だ!

私は飛び出して華ちゃんを驚かせようとしたが、華ちゃんの隣に誰かいることに気付き、飛び出すのをやめた。

「ね、最悪だよー」

あいつは…。

確か、華ちゃんと同じクラスの女子生徒、村岡唯。

二年に上がったと同時に、華ちゃんに馴れ馴れしく接する嫌な女だ。