昨日、由香里に教えてもらった、職員用の駐車場に車を止めた私。

回りを見渡しても、確かにベンツなんてそうそう止まっていない。
そんなものなのかな?

外科クラスの先生なら、乗ってそうだけど、どうなんだろう。

けど、やっぱりない。
ま、外車自体(BM)は何台かはあるけど、買う時迷ったけど、BMにしとけばよかったかなと、今さらながらに思う。
ま、BMでも看護師が乗る車ではないんだろうけど…そんなの偏見だし…


「お疲れ様です」

頭を下げながら、職員用出入口で守衛さんに挨拶をした。

頭の中は、昨日の復習をしている私。
お願いだから、新顔見せないでと、祈っていた。

誰にも会わず、更衣室に入った。

「セーフ、よかった」

「何がよかったんですかぁ?」

「え?」

ビックリした。
声をかけてきたのは、昨日同じく準夜勤だった永山瑞穂、まだ3年目の24歳。
キラッキラッしてる、夜勤で見てはいけない、眩しさだ、これは。

「あ、あぁ、な、なんでもないのよ。瑞穂。あなたも夜勤だった?」

「夜勤ですよ。一緒ですね〜。今日はラッキーですよ!夏帆さん!」

「…ラッキー?なんで?」

「今日の当直の先生、中元先生と谷本先生なんです、夜勤中に目の保養が出来ます!!!」

なんですってー!
目の保養どころか、心臓に悪すぎる。
あの中元先生が当直なんて。

ラッキーどころか、アンラッキーよ。