…ん。

ゆっくり、静かに、少しだけ
重たい瞼を開けた。

ああ、朝か。

今日は何日だっけ…。

体を起こして辺りを見回そうとした。

「…っ」

けど頭が痛くて、起き上がれなかった。

そこは、自分の部屋のベッドの上ではなく。

少し前に見慣れた、光景だった。

「病…院か」

検査入院の時は、いつも使ってた病室…かな。

よく見れば、酸素マスク?が、付けられてて、点滴がうってあった。

あ、そうだ。

今、何時。何日?

手探りでスマホを探す。

横の脇のライトの所にあった。

スマホを付けて日付と時間を確認する。

10月2日の、午前7時すぎ。

え?

確か、最後の記憶は、9月27日。

5日間くらい、寝てたって、こと…?

そう言えば。

…あの時。

少しずつ頭痛が大きくなって。

何も見えなくなって、聞こえなくなったなって思ったら。

…。

そこからは、何も。

覚えていない。

うーん、でも。

5日間くらい、ベッドの上で寝てたってことは。

倒れたか、眠らされたのかなあ。

てか、大学。

この間もだけど、続けて無断欠席だよ。

なんで、5日も。

確か、ヒロくんが。

…。

そうだ。

思い出した。

そっか。

僕、脳に血の塊。

肺に癌。腫瘍かな。

いつも調べてる限りでは、感染したって、事。

ああ。

早く手術しないと。

詳しく調べないと。

気持ちが焦るほど、鼓動は早くなっていく一方だった。