「そう言えば、私も新潟土産を用意してありますよ。白餡で、皮が旨いと評判のお饅頭です。」

「ほう、今度は白餡か。」

「あれ、買い忘れたんだよな。持ってきているのか。」

 二人が気を緩めると同時に、ウェイトレスが団子に手を伸ばすが、今度は店長が団子を引っ込める。

「油断も隙も無いな。」

「ケチ。」

「お前の方がケチだ。」

「ドケチ。」

「残り一つに執着するな。」

「エッチ。」

「ちょっと待て、ワシをスケベ扱いするな。」

「この前、インターネットか何かの検定で、SSSランクの評価を得たじゃないですか。実に名誉なことですね。」

 口元を緩め、半ば軽蔑するようにして、ウェイトレスは店長を見つめるが、相手は大人気ない店長である。顔を真っ赤にして反論してきた。

「馬鹿なことを言うな。何がSSSだ。だいたい、あんなインチキ検定など認めんぞ。」