いくらめっちゃ裁縫上手な絢香でも不可能に近いのである

そしたら私のこの、ボロボロ…のくまをあげる

…もらわれる身になった方がいいかな
いくら彼女から貰ったとしても、このくまはもらっても嬉しくない

そんなことに気づいてしまえば、私の気分はガタ落ち。

「やっぱあげないほうが…」
だめだ、どうしていいかわからなくなる

「あげない!」
「はぁー?」

隣で本を読んでいた友達の平井絢香がキレ気味に返事をする
「だってだって!」
「いいじゃん別に、あげてしまえ!あげればこっちのもんよ」

言い方がなんか怖いよ…。

「いや、でもこんなの貰っても嬉しくないし…」
「まぁたしかに嬉しくないけど、頑張って作ったんだなって伝わってほしいんでしょ?」
「うっ…い、いま!嬉しくないってはっきり!」
「だって嬉しくないもん」

絢香はキッパリ言うんだよ…

そこは嫌いなわけじゃないけど…。