さくらが去って30分程経った頃、秋菜が友利と一緒に歩いて来る姿を見つけた。

司の姿を見つけた友利は気を利かせて


「あ、あたし今日、先生に呼ばれてた」


と言いいなくなった。


「一人で帰るのか…」


秋菜が寂しそうに呟いた所に、司が走り寄ってきた。


「何?どうしたの?
学校は?さぼりじゃないよね?」


突然現れた司に、秋菜は慌ててそう問い掛けた。

司は笑いながら


「今日は半ドンなんだよ。
迎えに来ました、お姫様」


と、ふざけたように笑いながら秋菜の手を取った。

秋菜は周囲をキョロキョロ見渡し


「恥ずかしいからやめて」


と小声で呟いたが、司は聞こえないふりをして、秋菜の手を握ったまま歩き出した。

校門を出るまでにクラスメイト何人かとすれ違った。

皆、興味津々な顔をして秋菜を見ていた。

司は年下に見られないように堂々と胸を張り歩いていた。