朝6時半起床。昨夜は小説に没頭してしまい少し寝るのが遅くなってしまったがいつもと変わらない時間に起きる。これは私が小説を書き始めた頃からのルーティンだ。普段の生活を崩さない。
トゥルルルル。身支度を終え、朝食に口をつけていたところに私の携帯の着信音が鳴った。
『はい。赤井です。』『もしもし？那智？貴子だけど、今日金曜日だから那智の家に遊びに行っていい？仕事の愚痴があるから聞いてよー』朝からハイテンションな彼女は私の幼馴染の清水貴子だ。生まれた時からお隣さんだったため交流があった彼女だか、性格はまるで私と正反対。学生時代も私はどちらかというと地味な同じ趣味の子たちとひっそり教室の隅で談笑するタイプだったが、貴子はクラスでもムードメーカーだった。そんな彼女だか私とはタイプが違うためそのうち離れて行ってしまうと思っていたが彼女曰く、『他の子とはワイワイ騒ぐ方が楽しいけど、本音とか将来の話するなら那智が一番だし、那智は女同士の妬み嫉みとかがないから一緒にいて楽なんだー』とのこと。
大学も離れてしまい、彼女は出版社の担当という仕事をしているが、今でも今日の様に電話がかかってきて、私の家で宅飲みをしながらストレスを発散するような付き合いを続けている。
私にとっても唯一無二の親友だ。
『いいよ。私も昨日散々だったんだーお互いストレス発散しよう。今日は定時で上がれるように頑張っておつまみ用意しとくね。』『わかった。私はお酒買って行くね。那智はいつものお酒で大丈夫だよね。』『うん。じゃあまた夜に』といって私は電話を切った。
"今日は夜楽しみがあるから仕事頑張るぞー"と私は気合いを入れて家を出たのだった。